俺から逃げられると思うなよ
「この卵焼き、チーズは入ってんのか?」
「うん。千秋くん、好きそうだなぁ、って」
私はひとつだけ空いている椅子に目を向ける。
「千秋はどこ行ったんだ」
「もう、出ていちゃったよ……」
静かなテーブル。
私が雰囲気暗くしてどうするんだよ、と思いながらも、千秋くんのことが気になって仕方がない。
1番最初に口を開いたのは、神崎くんだった。
「千秋……。いつも裏庭にいるよ」
「え?」
「たまに見かける」
それだけ言って、神崎くんは食べ終わった食器を片付けにキッチンへ行った。
学校に裏庭なんて、あったんだ……。
じゃなくて。
裏庭に行けば千秋くんに会えるかも、ってこと?
「茜」
神崎くんに呼ばれて我に返る。
「な、なに?」
「この箱、なに?」
神崎くんが指差したのは、バンダナに包まれた4つのお弁当。
「うん。千秋くん、好きそうだなぁ、って」
私はひとつだけ空いている椅子に目を向ける。
「千秋はどこ行ったんだ」
「もう、出ていちゃったよ……」
静かなテーブル。
私が雰囲気暗くしてどうするんだよ、と思いながらも、千秋くんのことが気になって仕方がない。
1番最初に口を開いたのは、神崎くんだった。
「千秋……。いつも裏庭にいるよ」
「え?」
「たまに見かける」
それだけ言って、神崎くんは食べ終わった食器を片付けにキッチンへ行った。
学校に裏庭なんて、あったんだ……。
じゃなくて。
裏庭に行けば千秋くんに会えるかも、ってこと?
「茜」
神崎くんに呼ばれて我に返る。
「な、なに?」
「この箱、なに?」
神崎くんが指差したのは、バンダナに包まれた4つのお弁当。