俺から逃げられると思うなよ

千秋くんと距離が出来ました。

千秋くんとの関係は悪くなる一方だった。


毎日、朝ご飯とお弁当は4人分用意している。

だけど、やっぱり千秋くんの分だけ残ってしまう。

朝ご飯のおにぎりも、お弁当も、捨てるのは気が引ける。

もったいないと思ってしまう。



「お前、食べすぎじゃね?」



屋上で、涼に言われる。

神崎くんも頷く。

昼休みは、この2人と食べることが日課になっていた。


その日課に加えて。

私は自分のお弁当と、千秋くんの朝ご飯を口の中に入れる。



「そう?」



涼の言葉に、とぼけたフリをする。

だけど、正直、自分でも食べすぎだとは思う。

結局、千秋くんにお弁当も渡せていないから、それも2人に隠れて食べている。

つまり、1日で、自分の分と男子高校生1人分の食事量を摂取している。



「お前、もともと痩せてるから、太ればちょうどいいかもだけどよ」



体に悪いぞ。


そう、言われてしまった。

私が千秋くんに言った言葉が、そのまま返ってくる。
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