俺から逃げられると思うなよ
「アホなの?」

「アホじゃ……」

「授業、始めるぞーっ!」



大きな声で教室に入ってきた、古典の先生……。


いや、数学の先生。

ん?

数学の先生?

次、古典の授業じゃないの?


頭にハテナマークを5つくらい浮かべていると。



「穂村! 次は古典じゃなくて、数学だからな!」



先生が教室中に響き渡る大きな声で言う。



「すみませんっ」



なぜか謝る私。

古典の教科書を再び、数学の教科書に変えながら、隣の席の彼を見る。

肩を震わせて笑っている、超絶イケメンくん。


完全に嘘つかれた。

笑いながら彼は言う。
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