俺から逃げられると思うなよ
「疲れたぁ」



お昼休みになる。

なんだかんだ、あっという間に授業が終わった。


お腹も空いて、美味しくご飯が食べられる!
そう思っていると。

神崎くんが私の耳元で、



「先に屋上行くね」



と、気遣ってくれた。

私が、千秋くんのところに行こうとしているのが、目に見えたんだろう。


その背中にお礼を言いながら、私はお弁当を2つ抱えて教室を出る。

今なら、千秋くんは教室にいるはず!

だって、チャイムが鳴ったばかりだもん!


……って。

千秋くんの教室ってどこ?

2年、何組?


大事なこと聞くの忘れた! と、思いつつ私は、廊下を早歩きする。

ここは2年生の階だから、歩いていればすれ違うよね。


なんて、のんきに考えていたけれど。

現実はそう、簡単ではなく。


千秋くんが見つからないんですけど!?

さりげなく、各教室を覗いたけれど、千秋くんらしき人影はなかった。



「裏庭かなぁ」



と、思って階段を下りていると。
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