凌玖先輩から逃れられない
これは駅に向かって歩いているんだろうけど。
「先程はありがとうございます!
すごく嬉しかったです……!」
「沙耶のためならどうとでもない」
「……っ」
えっと、何話せばいいのかな。
共通点なんて何もないし……あ、そうだ。
「会長、生徒会の仕事は大丈夫なんですか?」
ただでさえ激務だと聞いた。
こんなところで悠長にしている場合ではないのかもしれない。
「それ、どうにかしてくれないか?」
「それって何ですか?」
質問を受け流され、さらには質問返しされた。
「その、会長と呼ぶのはよしてくれ」
見当がつかないわたしは眉を寄せると、会長はそう口にした。
確かに会長呼びってなんか距離感じるよね。