凌玖先輩から逃れられない
「あ!わかった!
会長様が勉強教えてくれるから余裕なんだね!」
「えっ!?」
何も言わないわたしを見て勘違いしてしまった真綾ちゃん。
いきなり先輩って言うせいで声が裏返っちゃったじゃん……っ
「ねえねえ、先輩と何か進展してるの?」
「別に何もないよ……!」
「またまた〜!真っ赤になっちゃって〜!」
本当だよ、勉強教わる予定ないもん!
不満そうに頰を膨らませると、真綾ちゃんはからかうようにほっぺをツンツン突いて、わたしの反応を楽しんでる。
「こんなことしても可愛いだけだぞ!」
「可愛くなんかないってば!」
また調子良いこと言っちゃって。
なんで可愛いって言うの、もう……。
「本当に可愛いよ!だって、これ。
先輩のためにしたんでしょ?」
真綾ちゃんはわたしの顔をまじまじと見つめる。
それもそのはず、今日のわたしはいつもと違う。