凌玖先輩から逃れられない

凌玖先輩がテスト勉強の指導をしてくれて、その甲斐あっていつもよりぐーんと良かったのだ。


先輩に感謝しないと……!


しかし、テストを終わってから先輩に告白すると決意したのもあって緊張も伴ってしまう。

話しかけたいけど、逃げ出したい気持ちも負けずにある……。



「はぁ……」

「ねえねえ、沙耶ちん!」


胸がつまる思いを吐き出すようにため息をつくと、真綾ちゃんが弾んだ声を出す。


「……!」


真綾ちゃんは何かを見つけたらしく、指差した先を見るとそこには先輩の名前が。


ちょうど先輩のことを考えてたから、ドキッとしてしまった。


1位 篠崎 凌玖


高校3年生は文理に分かれるので、先輩は理系の中の1位ということになる。


わたしの勉強を見ていたのに、数学とか理科とかすごく難しいはずなのに……すごすぎる。


ますます雲の上のような存在だと実感する。

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