凌玖先輩から逃れられない

「それより用件って……?」


本腰がズレたようなので、軌道修正する。


「すまない。生徒会の仕事が立て込んでてな。
しばらく放課後一緒に帰れそうにないんだ」


本当に大変なんだな。

寂しいけど仕方ないよね……あ。


そう思ったところで、わたしはあることを思い出す。



「今日って水曜日でしたっけ?」

「ああ、そうだが……」

「実は水曜日の放課後、図書委員の当番が入っているんです!」



図書委員の当番が終わる頃には生徒会も終わるかもしれない……!

そんな期待を込めると、わたしの伝えたいことが理解したのか、表情を和ませる。



「わかった。すぐ終わらせるから、図書館で待っててくれ」

「わかりました!」



良かった……!一緒に帰れる!


幸せを噛み締めて、わたしは放課後まで時間を過ごしたのだった。





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