終わった後のモノローグ
「どうしたの？」

いつもとは違い、どこか感情を失ったような声で彩葉が訊ねる。私は耐えられなくなり、彩葉の前で泣いてしまった。

「家族が……ずっとそばにいてくれたチロが……天国へ行ってしまったの。病気で……助けてあげたくても、できなくて……」

この時、普通の「友達」だったなら慰めてくれたのだろう。しかし、彩葉は何も言わずに私を見つめていただけだった。それから疑問を抱き始めたんだ。

高校時代、彼女の前で悲しくて何度も泣いた。でもいつも彩葉は黙り切っていて、私の心を助けてくれることはなかった。彩葉は「悲しい」という感情を受け止められない人だった。

悲しみは二つに、喜びは一つに変わった。私たちはどうしてあの時、「ずっと一緒」なんて夢を見てしまったんだろう。ありふれた願いさえもこぼした手のひらが掴めるものなんてもう何もないのに……。

悲しみを彩葉が受け止めてくれないと知った時から、私の心は彩葉から離れていった。友達のフリをしてただ笑う。作り笑いは私の得意分野だ。
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