終わった後のモノローグ
「結局最後までわかり合えなかったな……」

思い返していると、心が重苦しくなる。それでも今の日々があの頃のように色褪せないのは、彩葉との思い出があるからだ。人は簡単にわかり合えないことを学び、複雑な人間関係についてよく理解できた。

「馬鹿だよね、私たち。不幸と幸せも背負っていく覚悟がないから悲しみを受け止められなかったんだ」

なぜか涙がこぼれて、私はその涙を拭う。しばらく泣いた後、私はアルバムを棚に戻した。その顔にもう涙はない。

私はもう彩葉に会うことはない。過去を捨てて生きていく。もう二度と振り返らない。それでもーーー。

二人で付け合った傷の数が、今もどこかで生きているあの子の日々に変わりますように……。




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