お手本のようなクズ男に溺愛されて困ってます
Ⅰ
「え?w処女?今どきそんな絶滅危惧種おりゅの?www」
昼休みの教室の隅で、親友の言葉に私はピシィッと固まった。
「そ、そうだよねぇ…はは…」
衝撃から何とか立ち直る。
「いたら絶対結婚できないでしょ!wてか処女てwww重www」
親友の追撃に再び撃沈。
あ、どうも皆様。私は友江 紫乃、どこにでもいるJKです。自慢はいつの間にか覚えた縄抜け、一体どこで使うんだ!
そしてこちらの魅惑の不二子ちゃんボディを持つ美女は私の親友、桜田 美千佳。名は体を表すなんてよく言われますがコイツはそれを実現した女です。
「はーおかしwwwなんでそんなこと急に聞いたの〜?wwwウケるwwwははは…は…は…?」
無駄に察しの良い親友。私が重い空気を醸し出していることに気づきピタリと止まった。そのまま笑っててくれた方が私は助かったよ。
「…処女なの?」
いきなり核心を突く一言。ただし威力は絶大である。
「はい……」
「マ?」
「いつになくJKだね…本当だよ…」
泣きそうになりながら肯定する。何故昼休みの教室でこんなこと言わなきゃならないのか。
「そう…なんだ……」
なんか引いてる気がする。そらそうか、美千佳の中では処女なんて絶滅危惧種なんだ。しかもコイツは中学の頃には処女?ナニソレオイシイノ?状態。どんだけはっちゃけてんだ。
「………………紫乃、後腐れない良い人紹介しようか」
「…何が言いたい」
「ワンナイトラブしてこい。相手はイケメンだ、紫乃面食いだし文句は無かろう?」
くっ、こいつ17年間(特に守っては無いけど)処女を散らしてこいと言うのか。それでも親友か?
「…相手によるけど……」
「篠崎 唯月今夜空いてるって」
勝手にLINEしやがったよこの女。
「篠崎 唯月ってあの有名トイメーカーの?」
「そ。アンタのお母さんには上手く言っとくから今夜ヤってこい。大丈夫、上手いらしいから。アタシはシてないけど彼氏いるし」
「本人の了承を得ずに行動するの良くないと思う」
それにヤるとかシたとか安易に言うのも良くないと思う。字面的に。
「大丈夫大丈夫、案外優しいから」
いやアンタの紹介だから不安なんだよ。
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