アテナ・イェーガー〜ダンス、のちにキス〜

新しい出会い

魔法使いのロネ・ガランテは少し緊張しながらカフェの椅子に座っていた。その隣に座るアテナ・イェーガーも緊張しているようだ。

「……仲良くなれるのだろうか」

不安げに言うアテナは、ロネと街に出かけた時に買ったワンピースを着ている。今日は森を抜けて街にいるためだ。

「大丈夫だよ。たまに暴走する時があるけどいい子だからさ」

ロネはアテナに笑いかけ、ギュッとアテナの手を包む。ロネは背が低めのため身長はアテナと差はないが、手の大きさはロネが勝つ。

今日はセイレーンのハーフであるナタリー・スカイラーにアテナを紹介する。アテナに同性の友達がいた方がいいだろうと勇者の息子であるネイサン・サミュエルが言ったためだ。

「お待たせ〜！」

「ロネ、アテナ、遅れてすまない」

カフェのドアが開き、ナタリーとネイサンが姿を見せた。アテナが強くロネの手を掴み、ロネの胸は高鳴った。

「あっ！この子、前にロネとデートしてた子だよね？」