私の物語
今日は、病院に行ってから学校に行く日。
なんの検査をしているかはわからないけど、月に1回この日がある。
小学校に着いたのは、2時間目が始まってからだった。
「おはようございます」
教室のドアを開けると聞こえてくる先生の声。それに対して私は、軽く礼をして自分の席に向かった。
「吉野さん、おはよう」
そう言って声をかけてくれるのは、隣の席の梶原くん。
「おはよう」
授業中なので控え気味にそう言った私は、椅子にランドセルを下ろして、教科書をしまうために引き出しに目を移した。
教科書を入れていないため何も入っていないはずのそこには、四つ折りの紙が二つ置いてあった。
授業中だということを忘れて二つのうちの一つを開いてみると、
“吉野さんのことが嫌いです。早川”
と書いてある。
早川くんは、私と仲のいい男の子。本当に優しくていい人。こんな事、早川くんが書くわけないでしょとドキドキしている自分を慰めるように言い聞かせる。
そして、もう一つの紙を開いてみる。
“吉野さんのことがすきです‼︎”
…え?
ストレートなその言葉に驚きつつ、さっきとは違うドキドキが押し寄せてくる。
「吉野さん、何をしているんですか。」
そう言ったのは先生。そうだ、授業の準備しなくちゃいけないのに、まだ引き出しに教科書も入れてないし、そもそもこの紙読んでたし、っていうかこの紙はどうすればいいの?
そんなことを考えていると、先生が目の前にいた。そして、さっきまで読んでいた紙を取り上げて、読んでいる。
「こっちの嫌いですのお手紙は先生が預かっておきますから、好きですのお手紙は吉野さんが持っておきなさい。」
急になんの躊躇も無く、大きな声でそんなこと言うから、
「えー!すきですの手紙ー⁉︎」
「なにそれ誰から?」
「ラブレターじゃん!すごーい!」
なんてクラスのみんなが騒ぎ出す。
みんなが騒ぎ出して気づいた。
これはラブレターなんだ。
2時間目が終わって、教科書を引き出しにしまっていると、お友達のななかちゃんが私のところに来た。
「ねえ!さっきのすきですのお手紙ってなん?ラブレターよね!すごいみことちゃん!」
その言葉を聞いて体温が上がる。
ラブレターなんて今まで1回ももらったことないし、小説の中だけの話だと思っていた。
「で、誰からやったと?」
そこでハッとする。嫌いですのお手紙には、名前が書いてあったけど、すきですのお手紙ってには書いてなかった。その事をななかちゃんに伝える。
「えーなんそれー!書いてないとか意味わからんやーん。なんで書いてないとよー。もーー!」
ななかちゃんはまるで自分のことのように、コロコロと表情を変えていく。
「誰かわかったら教えてね!また何かあったら絶対話してよー?」
それに対して私は、コクンと頷いた。
なんの検査をしているかはわからないけど、月に1回この日がある。
小学校に着いたのは、2時間目が始まってからだった。
「おはようございます」
教室のドアを開けると聞こえてくる先生の声。それに対して私は、軽く礼をして自分の席に向かった。
「吉野さん、おはよう」
そう言って声をかけてくれるのは、隣の席の梶原くん。
「おはよう」
授業中なので控え気味にそう言った私は、椅子にランドセルを下ろして、教科書をしまうために引き出しに目を移した。
教科書を入れていないため何も入っていないはずのそこには、四つ折りの紙が二つ置いてあった。
授業中だということを忘れて二つのうちの一つを開いてみると、
“吉野さんのことが嫌いです。早川”
と書いてある。
早川くんは、私と仲のいい男の子。本当に優しくていい人。こんな事、早川くんが書くわけないでしょとドキドキしている自分を慰めるように言い聞かせる。
そして、もう一つの紙を開いてみる。
“吉野さんのことがすきです‼︎”
…え?
ストレートなその言葉に驚きつつ、さっきとは違うドキドキが押し寄せてくる。
「吉野さん、何をしているんですか。」
そう言ったのは先生。そうだ、授業の準備しなくちゃいけないのに、まだ引き出しに教科書も入れてないし、そもそもこの紙読んでたし、っていうかこの紙はどうすればいいの?
そんなことを考えていると、先生が目の前にいた。そして、さっきまで読んでいた紙を取り上げて、読んでいる。
「こっちの嫌いですのお手紙は先生が預かっておきますから、好きですのお手紙は吉野さんが持っておきなさい。」
急になんの躊躇も無く、大きな声でそんなこと言うから、
「えー!すきですの手紙ー⁉︎」
「なにそれ誰から?」
「ラブレターじゃん!すごーい!」
なんてクラスのみんなが騒ぎ出す。
みんなが騒ぎ出して気づいた。
これはラブレターなんだ。
2時間目が終わって、教科書を引き出しにしまっていると、お友達のななかちゃんが私のところに来た。
「ねえ!さっきのすきですのお手紙ってなん?ラブレターよね!すごいみことちゃん!」
その言葉を聞いて体温が上がる。
ラブレターなんて今まで1回ももらったことないし、小説の中だけの話だと思っていた。
「で、誰からやったと?」
そこでハッとする。嫌いですのお手紙には、名前が書いてあったけど、すきですのお手紙ってには書いてなかった。その事をななかちゃんに伝える。
「えーなんそれー!書いてないとか意味わからんやーん。なんで書いてないとよー。もーー!」
ななかちゃんはまるで自分のことのように、コロコロと表情を変えていく。
「誰かわかったら教えてね!また何かあったら絶対話してよー?」
それに対して私は、コクンと頷いた。