愛跡
その日の夜、ユウキから
「電話しない?」
ってメールが来た。
その時は遠くのおばあちゃんの家
にいて暇だったから
「別にいいよ♪」
と返信した。
すぐに携帯が鳴って
「はいは〜い!」
「あ、まお?」
「そだよっ♪」
「声可愛いんじゃね」
「いやいや〜全然」
「カズヤの写メ見た?」
「え?あぁ…うん見たよ」
その内容には触れてほしくなかったのに…
「どうだった?」
「どうだったって…普通…?」
「チャラくね?」
「んー…まあね…」
「俺の写メ見たい?」
またこの話だよ…
「どっちでもいいよ?」
「じゃあ送るわ!」
「あ、うん!」
「おやすみ♪」
「おやすみ〜♪」
たった10分の会話なのに
すごい疲れちゃったよ。
電話を切るとメールが5通。
全部カズヤからのメールだ。
「お〜い!まお!」
「なにしてんの?」
「早く返信してよ!」
「無視?」
「お〜い」
ゾクっとした。
怖いな…って思ってたら
〜♪
ユウキからのメール。
見る前にカズヤに
「ごめん!電話してた!」
と返信しておいた。
ユウキからのメールを見ると
写メが添付されてた。
黒髪のオールバックにごついピアス
ホストとやくざを足して2で割った
ような顔だった。
「まじかあー…」
と思ってしまった。
「カッコイイね」
ってカズヤの時と同じように
返信しといた。