ロストラブレター
そう言い終えてから、我ながらくさいセリフだったと思い、んんっと咳払いをして照れ臭さをごまかした。
いつの間にかこちらを見ている遥に、ニッと笑顔を向ける。
「遥も、きっとそのうち分かるよ。その時は応援するからね」
ポンポン、とあやすように遥の頭に手を乗せると、子供扱いをされてムッとしたのか「帰る」と一言だけ残して遥は部屋を後にした。
可愛くないなぁ、と思いつつも、小さい頃に「つーちゃん」と私を呼んで後をくっついて来た遥と姿が重なる。
たとえ、「つーちゃん」が「司」になっても、声が低くなって背だって私よりずっと高くなっても、私にとってはいつまでも可愛い弟のような存在だ。
はぁ、とため息を一つつき、また手紙を開く。さっきは気にならなかったが、何となくくしゃっとしているみたいだ。
遥の胸ポケットに入ってたみたいだから、よれちゃったのかな…。せっかく書いたのに、あんなに緊張したのに…届かなかった。
きゅっと唇を噛みしめ、一日守り続けた手紙を両手で丸める。そのまま手を振り上げ、思い切り壁にぶつけた。
紙の軽い音が虚しく響き、床を転がる。
紙は軽くて薄っぺらい。その中には私の大事な気持ちを閉じ込めていたというのに、一瞬で潰せるし何かを壊す威力もない。
神様が告白するな、と言っているのだろうか。
そんな考えが頭をよぎったが、頭を振って打ち消した。たまたまタイミングが合わなかっただけ。たまたま……
「…まって」そう、言葉がポロリと口から出た。
いつの間にかこちらを見ている遥に、ニッと笑顔を向ける。
「遥も、きっとそのうち分かるよ。その時は応援するからね」
ポンポン、とあやすように遥の頭に手を乗せると、子供扱いをされてムッとしたのか「帰る」と一言だけ残して遥は部屋を後にした。
可愛くないなぁ、と思いつつも、小さい頃に「つーちゃん」と私を呼んで後をくっついて来た遥と姿が重なる。
たとえ、「つーちゃん」が「司」になっても、声が低くなって背だって私よりずっと高くなっても、私にとってはいつまでも可愛い弟のような存在だ。
はぁ、とため息を一つつき、また手紙を開く。さっきは気にならなかったが、何となくくしゃっとしているみたいだ。
遥の胸ポケットに入ってたみたいだから、よれちゃったのかな…。せっかく書いたのに、あんなに緊張したのに…届かなかった。
きゅっと唇を噛みしめ、一日守り続けた手紙を両手で丸める。そのまま手を振り上げ、思い切り壁にぶつけた。
紙の軽い音が虚しく響き、床を転がる。
紙は軽くて薄っぺらい。その中には私の大事な気持ちを閉じ込めていたというのに、一瞬で潰せるし何かを壊す威力もない。
神様が告白するな、と言っているのだろうか。
そんな考えが頭をよぎったが、頭を振って打ち消した。たまたまタイミングが合わなかっただけ。たまたま……
「…まって」そう、言葉がポロリと口から出た。