ロストラブレター
そう言えば、一番大事な事を遥に聞いていない。
はじかれたように立ち上がり、慌てて遥の後を追った。部屋を出てリビングに行くが、そこに遥の姿は無かった。
「お母さん、遥は?」台所で鍋と向き合っていたお母さんに声をかける。ふわりと香るこの匂い、今日はカレーのようだ。
「え?もう帰ったよ」
「あ、それじゃああたし、ちょっと遥のとこいってくるから」
お母さんの返事は待たず、早足で玄関に向かう。
「ちょっとちょっと」サンダルに足を通したところでお母さんが駆け寄って来た。
「これ、遥君に持っていってあげて。今日はママもパパも遅いらしいのよ」そう言って差し出されたのは、先ほどのカレーが香る紙袋だった。
受け取った紙袋の中身を除くと、タッパーに詰められたごはんとカレーということが分かった。
「はーい、じゃあ行ってきまーす」
家を出て、たったの10歩程度で隣へつく。
インターホンを押し、待っているとガチャリとドアの鍵が開く音がした。
ドアが開くと、先ほど同様、学ラン姿の遥が「なんのようだ?」と言わんばかりの訝しげな顔でこっちを見下ろしている。
「さっきの続き。聞きたいことがまだあって。それと、お母さんからカレー。食べなさいって」
はじかれたように立ち上がり、慌てて遥の後を追った。部屋を出てリビングに行くが、そこに遥の姿は無かった。
「お母さん、遥は?」台所で鍋と向き合っていたお母さんに声をかける。ふわりと香るこの匂い、今日はカレーのようだ。
「え?もう帰ったよ」
「あ、それじゃああたし、ちょっと遥のとこいってくるから」
お母さんの返事は待たず、早足で玄関に向かう。
「ちょっとちょっと」サンダルに足を通したところでお母さんが駆け寄って来た。
「これ、遥君に持っていってあげて。今日はママもパパも遅いらしいのよ」そう言って差し出されたのは、先ほどのカレーが香る紙袋だった。
受け取った紙袋の中身を除くと、タッパーに詰められたごはんとカレーということが分かった。
「はーい、じゃあ行ってきまーす」
家を出て、たったの10歩程度で隣へつく。
インターホンを押し、待っているとガチャリとドアの鍵が開く音がした。
ドアが開くと、先ほど同様、学ラン姿の遥が「なんのようだ?」と言わんばかりの訝しげな顔でこっちを見下ろしている。
「さっきの続き。聞きたいことがまだあって。それと、お母さんからカレー。食べなさいって」