ロストラブレター
私は紙袋をずいっと差し出し、半ば押し付けるように遥へ渡す。ふんわりと香るカレーの匂いに気が付いたのか、「おばさんにありがとうって言っておいて」とぶっきらぼうに言い放つ。専業主婦である私のお母さんとは違い、遥の両親は共働きをしているので遥に夕ご飯をお裾分けするのは昔からの習慣と化している。
特に、遥はカレーが大好物なので、一見いつもと変わらない素っ気ない態度に見えるが今は少し嬉しそうだ。
「はいはい」そんな様子を見て、こちらも顔がほころぶ。
私がまた年上面をしていると思ったのか、緩んだように見えた遥の顔はすぐにまた仮面を被ったように無表情へと変わった。
「それで?聞きたいことって何」
そう言いながら、遥は家の中に入るよう促すように顎でクイっと合図をした。
そうだ、メインはそっちだった。カレーに意識を持っていかれていたので遥に聞かれなければこのまま家に帰っていたところだ。
「中で話すね!それじゃあ、お邪魔しまーす」
えへへ、と笑いながら勝手が分かっている遥の家に上がる。部屋数の多いマンションだが案内される事もなくリビングまでいけるのは、同じ間取りだから、と言うよりも、もう小さい頃から何回もお邪魔しているので第2の我が家のようなものだからだ。それは遥もきっと同じはず。私の家の事は家族の次によく知っている。
特に、遥はカレーが大好物なので、一見いつもと変わらない素っ気ない態度に見えるが今は少し嬉しそうだ。
「はいはい」そんな様子を見て、こちらも顔がほころぶ。
私がまた年上面をしていると思ったのか、緩んだように見えた遥の顔はすぐにまた仮面を被ったように無表情へと変わった。
「それで?聞きたいことって何」
そう言いながら、遥は家の中に入るよう促すように顎でクイっと合図をした。
そうだ、メインはそっちだった。カレーに意識を持っていかれていたので遥に聞かれなければこのまま家に帰っていたところだ。
「中で話すね!それじゃあ、お邪魔しまーす」
えへへ、と笑いながら勝手が分かっている遥の家に上がる。部屋数の多いマンションだが案内される事もなくリビングまでいけるのは、同じ間取りだから、と言うよりも、もう小さい頃から何回もお邪魔しているので第2の我が家のようなものだからだ。それは遥もきっと同じはず。私の家の事は家族の次によく知っている。