インスピレーションを信じて

事務所に 若い男性社員は いないけれど。

現場に出る 作業員は 男性ばかりだから。


務は 過剰に 私との仲を アピールする。

「務さん 骨抜きだね。」

なんて言われて 嬉しそうに笑う務。


「礼奈さん 美人だからなぁ。務さんに 飽きたら 俺んところに来いよ。」

ベテランの作業員に からかわれて。

「飽きるわけないでしょう。」

と務は 真顔で答える。


「なんだよ。うちの会社も 案外 危険だな。」

そんな日の務は 部屋に戻ると 私を 離さない。


「もう。レーナのこと どうしてこんなに 好きなの。俺 どんどん レーナを好きになって。変になっているかも。」

小さな刺激が 大きな歓びになって 帰ってくる。


同じ職場っていっても 務は 昼間 会社にいないことが 多いから。


外出から戻る務が 私に笑顔を 向ける時

私は とても幸せな気持ちになる。


< 107 / 110 >

この作品をシェア

pagetop