インスピレーションを信じて

務の指は 甘く 私の身体を這う。

『ダメ。声が出ちゃう。』

務の手を掴んで 私から離す。

『こうすれば 大丈夫。』

務は 私の唇を塞ぐ。


『レーナ。俺も。』

少し唇をずらして 務は言うと

私の手を取って 自分に導いた。


『…っん…』

務の声を 私は 自分の唇で塞ぐ。

薄目を開けて 務を見ると


眉を寄せて 堪えている。


愛おしさが弾けて 私は 指を滑らす。


『レーナの意地悪。』

務は 私の手を取って ギュッと握った。



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