インスピレーションを信じて
ゆっくり 2時間近くかけて 食事が終わる頃には
私も だいぶリラックスしていた。
「務 このまま帰るの? 」
俊樹に聞かれて
「まだ 電車あるだろう。」
と答える務。
「また 出て来いよ。」
「そうだな。また声かけてくれよ。」
千葉まで帰る 務を気使って
そのまま お開きになった 食事会。
同じ部屋に帰る 俊樹と悠香。
「レーナ どこに住んでるの? 」
務に聞かれて
「板橋区の大山っていう所。知ってる? 」
私が聞くと
「うん。東上線だろう? 途中まで 一緒に帰ろう。」
と務は 笑顔で言った。
方向が違う悠香達と 駅で別れて。
務と並んで 歩き出す。
「さすが東京。夜でも 人が多いなぁ。」
なんて言いながら 務はさり気なく 私の肩を抱く。
ハッとして 務を見上げると
切ない目で 私に微笑む。