インスピレーションを信じて
電車を降りて 私の部屋まで歩きながら
人影が途切れた 路地で 務は 私にキスをした。
「務…」
そっと触れるだけの 優しいキスなのに。
「やっべぇ。」
と言う務。
「電車の中で レーナが あんなこと言うから。」
甘く 私を睨む。
「部屋 すぐそこだからね。」
「なんだよ それ。おねだり?」
「もう!務。」
北風さえも 止んでしまうくらい
恋の初めは 熱くて。
鍵を開けるのが もどかしいほど。
私達は 求め合っていた。