インスピレーションを信じて
務は 毎日 電話をくれる。
他愛ない話しをして 私を笑わせて。
時々 甘い言葉で 私を喜ばせて。
『 私 務んちの方に 引越ししようと思うの。』
『 仕事 辞めていいの? 』
『 うん。そっちで 仕事探すから。』
『 レーナ 本気? 』
私は 務の言葉に 少し不安になった。
私を 重く感じている?
『 うん。駄目かな。』
躊躇いがちに そっと聞くと
『 一緒に住もう。それで 俺んちの仕事してよ。』
務は 私の不安と 反対の事を言う。
『 それは まだ早いよ。ご両親も 許さないよ。』
『 レーナ、俺の親に 気を使い過ぎ。』
『 けじめがないって思われるよ。』
『 俺が レーナを 離せないんだ。 』
務の言葉は 甘く私を満たす。
『 来週 ホテル予約したよ。』
『 務 次の日は ちゃんと仕事 行ってよ?』
『 へへ。今 調整中。』
『 コラ。』
その夜も 甘い余韻に包まれて 私は 眠りに就く。