インスピレーションを信じて
部屋に戻ると 務は 上着のポケットから 小さな箱を取り出した。
「レーナ。メリークリスマス。」
ソファに 並んで腰を下ろして。
私の掌に 務は 箱を乗せる。
「わぁ。ありがとう。」
私も そっと立ち上がり バッグから包みを取り出す。
「務。メリークリスマス。」
もう一度 務の隣に座って 私も箱を渡す。
「えっ? 俺に? いいの?」
驚いた顔の務に 笑顔で頷いて。
「一緒に 開けようか?」
私が言うと 務も頷く。
2人とも 無言で そっとリボンをほどいて。
私の箱には ダイヤのペンダントが入っていた。
「務…こんな高価な物。この間 指輪 買ってもらったばかりなのに。」
「いいの。婚約ペンダント。ホントは 指輪 買いたかったけど。サイズもあるし。それは 一緒に 選んだ方がいいかなって思って。」
「ありがとう。すごく綺麗。嬉しい。」
掌で ダイヤを揺らすと キラキラ輝く。
務は 私の手から ペンダントを取ると 首に掛けてくれた。
「これは 俺の目だよ。離れている時も いつもレーナが見えるんだ。」
首で揺れるダイヤに 務は触れる。
甘く頷いて 務の頬に キスをする私。