インスピレーションを信じて
務のお義父さんの会社は 予想以上に 大きくて。
私は 少し 驚いて 務を見上げる。
務は 小さい会社って言っていたから。
家の横に ちょっとした事務所があるような
そういう会社を 想像していた私。
務が車を停めた ” 牧田建設 ” は
広い敷地の中 立派な事務所を 構えていた。
事前に 調べなかった私も 私だけど。
悠香でさえ ホームページを 見たって 言っていたのに。
「すごい会社じゃない。務 ここを継ぐの?」
入り口に向かう務に 聞く私の声は 緊張で震えていた。