インスピレーションを信じて

「お疲れ様。」

と事務所に入っていく務。

ひっそりと 後ろに佇む私。


「あれ 務さん。今日 お休みですよね。」

事務所には 5人の男女が 机に向かっていた。

「うん。これ 俺の婚約者。」

務は 私を 前に押し出す。


「初めまして。宮内と申します。宜しくお願い致します。」

私は 丁寧に 頭を下げる。


「務さん こんな綺麗な婚約者さんが いたの?」

年配の女性が 私と務に 笑顔を向ける。

緊張で 俯く私を 務は 小さく笑う。

「社長 部屋でしょう?」

そう言って 務は 私を促して 階段を上がる。


2階には 事務所のようなスペースの他に

小さな部屋が いくつかあった。


” 社長室 ” という プレートの扉を 務は ノックした。



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