インスピレーションを信じて
14

最後の仕事を終えて。

売り場のみんなに 挨拶をして。

大きな花束を もらって 少し涙汲んで。

務の待つ カフェへ向かう。


「レーナ。スゲー目立つ。」

私を見て 務は笑い。

「一緒にいると 務が 花束くれたって 思われるね。」

と私が言うと 務は ギクッとした顔をした。


お正月返上で 引っ越し準備して。

新年の2日に 私の実家に行き。

3日に 私の荷物を 新居に運ぶ予定で。


務は 今回 車で来てくれた。


「ねぇ。その花 車に置いてこない? メシ食いにも 行けないでしょう。」

「務 恥ずかしいの?」

「違うよ。邪魔になるだろう。歩き難いし。」


ちょっと照れた顔の 務。

やっぱり 好きだなぁって 見つめていると

「んっ?」

と務が 私の目を見る。

「ううん。」

と首を振って 私は 務の腕を掴んだ。



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