俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
そして、式は終わり、周りがガヤガヤとしている中、片付けも行われていた。
親父に「行くか」と言われて連れてこられたのは…平安貴族の格好をしたなずなのところだった。
「なずな、ご苦労」
「おっ、しゃちょー。おひさ」
平安貴族が、ペットボトルのレモン炭酸水を飲んでいる…。
烏帽子という黒くて長い帽子がないだけまだいいか。
アップヘア…新鮮。
そんな些細な事にも目が行ってしまう…相手は平安貴族だが。
そんな平安貴族は、俺の存在にすぐに気付いたようだ。
「…おっ。伶士?来てたの?」
「あ、うん」
「え?ひょっとして、将来のため?ねえねえ」
そう言って、親父を冷やかすような眼でニヤニヤしながら見ている。
親父は「あほ」と言い返していた。
「あっ。しゃちょー。この後の宴会、剣軌が後から顔出すって」
「お、そうか。…おまえは?」
「この後依頼あるカンジ?」
「そうか」
すると、そこで「社長!」と、親父が呼ばれる。
「取り敢えず今日はご苦労さん!」と、親父は一言告げて、この場を離れて行った。