俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
ペンタグラムの場所がイマイチ説明しづらいので、忠晴に車を出してもらうことにした。

その前に、薫を家まで迎えに行く。



「伶士、迎えにまで来て貰っちゃってごめんね」



開いた車のドアから、薫がそっと乗り込んでくる。

後部座席の俺の隣のシートに座っていた。



「いいよ、別に。それより、あのぬいぐるみ持ってきた?」

「うん、持ってきたよ?」



そう言って、手にした紙袋を見せてくる。

ドアは閉まり、発進した車の中でその中身を確認した。



「うわ…結構ひどいな」



中から現れたペンギン様のぬいぐるみが。

首の部分が激しく破けている。

飛び出した綿の量が、まるで噴き出した血液かと思うくらいだ。



これが急にパーン!と弾けるなんて、相当恐かっただろうに。

見るに耐えないペンギン様のお姿に心苦しいため、すぐに紙袋に戻して薫に返した。



「…大丈夫かな、私」



紙袋を受け取った薫は、また表情を曇らせている。



「大丈夫だって。うちの陰陽師は優秀だから」



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