俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「えーと…宮内さん。伶士からだいたいの話は聞いてるよ。でも、状況確認のため、もう一回話を聞かせてもらう」
なずなの手元にはいつの間にかメモ用紙が数枚。
よく見ると、汚く走り書きしている。
…菩提さんのように、タブレット使わないのか。
そのメモ用紙に目を通しながら、話し始めた。
「夜部屋に一人でいると、木の割れるような変な物音がしたり、『殺してやる』と声が聞こえたり、金縛りに合った…いつから?」
「あ…先月です。12月の始めぐらいです」
「ふーん…どのくらいの頻度?毎日?」
そう聞きながら、ヤツはカバンの中をまさぐっている。
何探して…。
「書くもの書くもの…」
「ボールペンならあるぞ」
俺も持ってきた小さめのショルダーバッグを開ける。
ボールペンはいつも持ち歩いてるんだ。
「ほら」
なずなの前に差し出したのは。
最近宝物となったボールペン。
旭川の動物園グッズ・ペンギン様のボールペン!
ちょっと自慢気にボールペンを差し出す。