俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
親父がいなくなり。
なずなと俺の二人きり。
(………)
何だろう…。
そう考えると、身構えてしまう。
何か話を…と、口を開こうとするが、向こうが一歩早かった。
「しゃちょーのお付き合いも大変だな?可愛すぎる愛されちゃってる息子?いひひ」
「こら」
ぷぷぷ…と、笑われている。
すかさずイジってくるな、この女。
キモいからやめろ。
この話題はキツイぞ。
そう思って、別の話題を振る。
「…これからまた仕事?」
「うん、あと一件。これから当別町の山奥へ行ってきます」
「と、当別?!」
「正体不明の暴れん坊が山奥の墓地で墓荒らししてるらしい。調査の結果、どうも妖怪みたいで退魔調伏バトルになるかと」
「へぇ…」
言葉が出ない。
もう夜中になるのに、これから妖怪と戦うのか。
大変だな…。
すると、俺達の傍に車が一台横付けされる。
ハイエースだ。業者の作業車みたいな。
なずなは「おっ。来た」と呟く。
すると、運転席から誰かが降りてきた。