俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「ほら。ほらほら」
「っつーか、あったから別にいいし」
なずなの手には、すでにピンクの派手なボールペンが。
「っつーか、それ持ち歩いてんの?おペンボールペン。かさ張らね?」
「いつも持ち歩いてんだよ。ほらほら」
「だから、ボールペンあったから別にいいって。おペンしまっとけしまっとけ」
「………」
「っつーか、何でそんなにドヤ顔でそのボールペン私に突き付ける?なぜ自慢気なの。ぷっ」
ちっ。
そして、気を取り直して話しに戻る。
怪奇現象の起こる頻度の話だった。
「い、いや、毎日ってワケではなく…でも、二日置きぐらいに…でも、回数は数え切れないぐらいで…」
「ふーん、そっか」
そう言い残して、なずなは急に黙る。
そして、じっと薫を見つめていた。
「………」
「あ、あの…」
見つめられている薫は、何のことか、何をされてるかわからず、戸惑いを隠せない様子だ。
…これ、確か。
俺もあの時、じっと見つめられた。
《…なぁーんも見えないや》
《霊視出来ない?…おまえが?》
…恐らく、霊視というやつだ。