俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
いや、そうではない。

今の…このぬいぐるみの霊視とやらで。

バレてしまったのか…?!



(や、やばっ…)



何てこと!

しまった…!



しかし、淡々と問いかけるなずなに対して、隣にいる薫は「あ、はい…そうです」と、ツラッと答えている。



ち、ちょっとちょっとちょっと!

ば、バラすなあぁぁっ!

…だなんて、薫が俺の心情を知る由もない。



一瞬にして、身体中に衝撃が走った。

まさか。

まさか、こんなカタチで俺と薫の関係性を知られるなんて、思ってもみない。

気持ち動悸がする。早鐘のような鼓動とはまさしくこの事。

動揺が押し寄せてきて、ソワソワしてしまう。



それ、最大の機密事項にしていたのに…。

一番、なずなに知られたくなかったことなのに…!



何で…何で!



恐るべし、陰陽師の力。

最大の重要機密事項さえも簡単に暴いてしまう。



(ああぁぁ…)



ガクッと項垂れた。



「え、何でわかったんですか?私、伶士とのことは一言も…」



薫は驚きを隠せず、疑惑の表情をなずなに向ける。


< 117 / 503 >

この作品をシェア

pagetop