俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「なずなサーン…準備完了ですよー…行きましょー」



だいぶ覇気のない男の声がした。

現れた姿を見てビクッとさせられる。



あっ。この人、さっきの…!



先ほど式で、パワーストーンとやらを抱えて持ってきた人。

長身の前髪で目が隠れてる、もさっとした米津なんとかの人…!

さっきから気になっちゃってた人だ!



なずなは平然としており「わかったー」と返答している。



「し、知り合い…?」

「うん。うちの事務所の社員」

「えっ…!」

「玲於奈(れおな)っていうんだ」



すると、そのもさっとした人は「どーも…」と、頭をゆっくりと下げている。



「黒川玲於奈と申します…よろしく…」



もさっと挨拶された。

れおな?…女の名前?いや、見た目男だよ?

もさっとした男だよ?



「事務所の社員って…この人も陰陽師なのか?」

「いや、この人は陰陽師じゃないんだけど…」

だよな。ぽくない。

このもさっとした人が、なずなや菩提さんのように陰陽師バトルをしている場面は想像し難い。

だって、もさっとしてる。



「玲於奈は『神の力』持ってる元ホームレス」

「…えぇっ!」


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