俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
しかし、この人が…。

あの事件後にも、その『神の力』を持つ人がウチに結界を張りに来たが。

キリッとした清潔感のある涼しげな人で。

こんなにもさっとしてなかったが…。



興味津々で、彼の方を見てしまう。

何だか…もさっとボーッとしてるような。

すると、もさっとした人が、もさっと喋り出した。



「…なずなサン、この御方はお友達ですか?」



そう言って、俺の方を見ている。

視線も、もさーっとしてるわ。

前髪がもさっとしていて、目が見えるんだか見えないんだか。



「あ、伶士は橘しゃちょーの息子」

「あぁ、数ヶ月前の住み込み警護の…」



そう言って、彼…玲於奈さんは俺に頭をペコリと下げる。

ボサボサの頭がもさっと動いた。

この人、どこからどこまでもさっとしてるんだろう。




「…じゃ、伶士。そろそろ行くわ」

「あ…うん」



こっちに軽く手を振り、なずなは車に乗り込もうとしている。

何か言わなきゃと思って口をパクパクさせてしまう。



「あ…気をつけて!」



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