俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…嘘だよ」



その一言を突き付けられて。

言葉を失う。



「…全部、嘘。私が物音や人の声聞いたとか、金縛りとか…全部嘘なんだ。あの陰陽師さんの言った通り…」

「えっ…」

「ぬいぐるみも…私がやったの。…ごめんね?伶士がせっかくくれたものなのに」

「なっ…何で?」



何で…何で?

何で、薫はそこまでして…。



「どうして、そんな…」



言葉を見つけられないでいると、こっちの様子を伺うかのようにチラッと見てくる。

視線が重なったその目は、悲しそうで…。



「…その理由も、陰陽師さんの言ってた通りだよ?」

「え…何」

「…伶士の気を引こうとしたの。それは本当…」



そう言って、悲しそうな瞳のまま、少し笑って見せる薫。



「…もう一度、伶士と話したかった。…私を心配、してほしかった…」



薫が俺のことを…?



って、何を言ってるんだ?

だって、あの時、離れていったのは、薫の方で…。

それを、心配してほしかった…って?

どういうこと…。


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