俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「え…」
「…あんな裏切り方しておいて、今さら虫が良すぎるっていうのはわかってる…。あの時の私は本当どうかしてた。何回謝っても償いきれないぐらいだっていうのも、わかってる…」
「薫…」
「でも私…伶士が学園を辞めて、いなくなって初めてわかった…。伶士にどれだけ大切にされていたのか、伶士の存在の大きさとか…」
「………」
待て。
待て待て待て。
どんな展開になっちゃってるんだこれは。
展開の早さに着いていけない。
え?…これ、今。
俺、薫に復縁求められてる系…なの?
えっ…!
何で?
頭がパニックだ。
だ、だって…薫は俺を捨てて、兄貴と…。
なのに、俺とやり直せないかって…!
どうなってるんだ…!
しかし、そんな頭の混乱した俺を、薫は待ってくれるワケでもなく。
「ねえ…伶士が学園辞めた理由って…ひょっとして、私のせい?」
俺の様子を伺うように、恐る恐ると上目遣いで問う。
…薫はまさか。
自分のせいで俺が学園を辞めたのだとずっと思っていたんだろうか。