俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
…しかし、忘れてはいけない。
先ほどの話を、ハンバーグが来る前にしなくては。
「…さっきは、ごめん!」
思いの外、がっつり頭を下げた。
薫が嘘ついて、ごめん。
俺達の問題に、なずなを振り回すカタチになって、ごめん。
「…っつーか、伶士が謝ることかね。あのゲロマドンナに直接謝ってもらいたいものですが?」
「いや、俺が代わりに謝る。ごめん!」
「ふーん…」
だから。ゲロマドンナって何だ。
侮蔑の言葉なら、やめい。
頭を下げたままでいたが。
なずなが急に沈黙したので、不安になって頭を上げる。
「ど、どした…」
「なぁーんか。元カノ庇ってるみたいだな。実は復縁求められて嬉しかったとか?より戻そう?言われてデーレデレ」
「ばっ!…あほ!」
「え?そこ否定なの?っつーか、バカと言おうとしてアホっつったの、なぜ?」
「そんなところはイジらなくていい!」
復縁求められて嬉しかった?
んなワケあるか!
おまえの前で!
庇ってなんか…!
…いたか。
でも、それはなずなが薫を大魔王のように追い詰めるから。
なずなには、そんなことをしてほしくなかったんだ。
俺の勝手な思いかもしれないけど…。
だから、おペン攻撃もしちゃったんだよ(…)。
…でも、それが庇ってるように見えたんだろうな。
そんなつもりじゃなかったのに。
伝わらない思いが…もどかしい。