俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…だってあの女、バカ兄貴に盗られた女でしょ?」

「は…」



なずなはクックッ…と、悪そうな笑みを浮かべてるが。

俺の頭は、ガーン!と衝撃をくらった。



なずなに…薫があの件の女だということがバレてる?

ま、マジか…?



バレとるやないかい…!




「ごめんな。伶士は隠してたつもりだったかもしれないけど、あの女の精神世界覗いた時、伶士もあのバカ兄貴も登場してたし?」

「は…それでわかったの?」

「そりゃー。それぞれとイチャイチャしてる映像出てきたら、そう思うでしょ」

「…何っ!」

「あ、伶士とはえっちこいてたよ。激しい濡れ場でしたわ…」

「………」

「…あ、でも。店入ってきた時にはもうわかってたよ。元恋人同士なんだな?って。その二人の距離がさー?」

「………」

「しかし、伶士もだっせぇな?自分から兄貴に乗り替えた女にまた騙されそうになってやんの。ゲロマドンナ」

「………」



最後の方は、もう言葉も出ない。



今の俺、ギッタギタの滅多うちなんですけど…。



え…?

余計なことまで…バレとるやないかい!



しかも、最後は辛口コメント…!



(終わった…)



マジでオワタ…。



もう、魂抜けて、抜け殻だ…。



だから。ゲロマドンナはやめろ。



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