俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
ポーッとクラクラした頭でその様子を見守っていると。

なずなは、その舌先にあるゴミをつまむ。

しかし、バチッ!と音をたてていた。



「…痛っ!」



なずなは瞬時に手を引っ込めて顔を伏せるが、すぐにスカートのポケットからあの御札を取り出す。

ハラハラと落ちていったその小さなゴミを、御札で素早くキャッチし、グシャッと包み込んで直ぐ様ポケットに収めていた。



「な、何?今の…!」



目の前で起こった異次元的現象に、思わず声をあげてしまう。

…だが、ヤツは俺の問いには返答せず。



「………」



無言でこっちをじっと見ている。

真顔なので、何を考えて俺を見てるかは…わからない。



「あの…」

「………」



無言でそんなに見つめられると…。



(………)



ああぁぁ…!

や、ヤバい。

何だか心拍数が上がってきた…!



さっきキスをしてしまったことを、なぜかここで思い出してしまう…!



< 164 / 503 >

この作品をシェア

pagetop