俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
…しかし、そんな紛糾物語も。
ヤツの手にかかれば、更なる紛糾を呼び起こすこととなる。
「…まあ?」
そう呟いて、なずなはいひひひと笑う。
その笑みは、悪魔のように。
とっても悪そうな…。
え…何。
悪い予感しかしない。
そして、こっちにつかつかとやってくる。
また、グイッと顔を覗き込まれた。
(わっ…!)
さっきの不意討ちキスのこともあるからか、接近にビクッと過剰反応してしまう。
しかし、今度はキスではなく。
人差し指で、デコをつんと突つかれる。
「…本日のギャランティ、頂きました?」
目の前の可愛い顔は、ひひひ…と、悪者感いっぱいの悪魔のような笑みを浮かべて見せる。
「は…?ギャラ…」
「イケメンとの濃厚キス」
は…。
「いひひひ…久々のチューだぜチュー…一年以上ぶりだぜこりゃ…夜な夜な仕事仕事で随分ご無沙汰だったもんな?…しかも相手はイケメン…こりゃ元気が出るぜ?いひひひ…」
何か、怪しいことを呟いている人、いますよ…?
げへへ…と、とうとう怪しい笑いまで漏らした。