俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
でも、考えてみるとゾッとする。



一般人が妖気に当たると、この上ない体調不良になる。

それは、俺自身が身を持って理解していることだ。


「なずちゃん、その妖気のついたアボカドの皮が伶士くんの口の中にあるの、わかったんだ…」

「………」



それは、わかった。

俺の口の中に、なぜかそんな恐ろしいものがあったことに、ヤツが気付いたのはわかった。



だけど…。



「だけど…だからって!あんな突然キスしてきて取り除くことないと思いませんかっ?!」



瞬間湯沸し器のように、急に声を張り上げてしまう。



「む、ムキになるね…」

「…なりますよそりゃ!…気付いてんだったら、俺に一言いって口を開けさせてつまんで取るとか…いろいろ方法あったと思いませんかっ?!」



なのに…なのに!

ヤツは何故か、急にキスしてきて舌を入れて取り除いた。

俺に何の一言もなしに!



しかも、それを『イケメンとのキス、ごちそーさん!』で済ませるとは…!



すると、咲哉さんは「そこなんだよ!」と、突っ込んでくる。



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