俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「そこ?って…」

「そこなんだよ。…昔、菩提さんから聞いたことがある。『舌』って、人間の体内で最も妖気の衝撃、影響を受けにくい場所なんだって」

「え…舌が?そうなんですか?」

「だから、その妖気の影響を受けにくい部分で、なずちゃんはそのアボカドの皮を取ることにした。んじゃないかな?」

「………」

「ほら、もし、伶士くんの口に指を入れて取るとしたら…口の中でショートしちゃうワケでしょ?それは伶士くんがケガしてたかもしれないし」



…それも、わかった。

でも、やはり腑に落ちない。



いくら、影響受けない部分の舌で、妖気込みのアボカドの皮を取るったって。

何も言わずに、あんな行動に入らなくても。



ムッとして黙ってしまうが、咲哉さんは話を続ける。



「まあ…なずちゃんらしいっちゃ、なずちゃんらしいけど?」



なずな…らしい?



「…何処がですか」



ムッとしながらも、その心結を聞いてみる。



「なずちゃん…伶士くんを不安がらせたくなかったんじゃないかな」



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