俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
…そういえば。
冬休みは、もう終わり目前だった。
その二日後は、始業式。
三学期スタート。
そして、学校がはじまる。
朝の登校、教室に辿り着くその目前で。
ヤツはいた。
「なずぽ、今日帰りは行けんのか?肉召しませ出来んのか?」
「おう!今日は行くぜー?みっちょも久しぶりだもんな?それに今日はレディースデイだろ?食い放題だ…げへへ」
六組の前で、同じくギャルのむーと教室前でダベっている。
…普段なら、横目でスルーしていくけど。
今回は、違う。
「…なずな」
傍に立ち止まって、声をかける。
すると、ヤツは振り向いた。
「おー!伶士、おはよー」
むーとの会話のテンションをキープしたまま「よっ!」と、手を挙げる。
あんなことがあったのに、何ら普通の対応だ。
…俺の心情なんて、知る由もなく。
俺が来たことによって、むーは「じゃあ帰りなー」と、立ち去っていく。
周りに生徒はちらほらいるが、二人きりとなった。