俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「この間はお疲れー。…その後、どうっすか?嘘つきゲロマドンナとは…ぷぷぷ」

「…何もねえよ!」

何かあってたまるか。

改めて謝罪のLINEが、一度きたが。



謝罪…。

…いや、俺だって謝罪モノだ。



ぶっちゃけ、薫を口実になずなに会いに行くだなんて。

せっこい、だっせぇことやってんだから。



…口実なんて、もう使わない。



自分に対する言い訳なんて、もう作らない。



「その…一昨日は本当にごめん。わざわざ来てくれたのに」



すると、なずなはいひひひと笑う。



「…人生、そんなこともあるさ。人間ってやつは、いつのどんなヤツだって、失敗成功繰り返す生き物なんだからな?」

「………」



なんて人生悟ったような発言だ。

こいつの陰陽師という職業柄なのか。



そして、忘れないうちに用を済ませる。

ポケットの中に入れておいたものを取り出して、ヤツに差し出した。



「これ、東京みやげ。渡しそびれてた」

「おー!お気遣いありがとー。2つも?」



ちょっとワクワクした様子で、俺の渡した包みを開けている…が。


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