俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「………」



包みのひとつを開けたなずなの顔は、急にシラッとしたものになった。

チベットスナギツネにそっくり。



「…おいおいおいおい。ギャルにこの全国大会ロゴ入りボールペンか?事務的だな?サッカーボールのイラスト入りか!」

「ははは」



ボールペンのお返しには、ボールペン。

と、考えたら、これしかなかった…。

全国大会ロゴ入りの事務的なボールペン…。



…もちろん、俺だってギャルなヤツにこれはないと思ったぞ?

だから、もうひとつ。



「…もう一個の方開けてみろよ?それは自信アリ」

「へぇー?」



なずなは俺に疑いの眼差しを向けて、バリバリとその包みを開ける。



「…お」



そのおみやげを見て、なずなの目がゆっくり見開いて、大きくなる。

ちょっと溢れた笑顔に、喜びで胸が密かに沸いた。

やった。



それは、スカイツリーの小さな柄が散りばめられた小さなポーチ。

赤色で、布地も見た目も和テイスト。



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