俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


それから、ちびっこたちに混じって全体練習に参加する。

たまにちびっこの型や組手も見てやったり、ミット打ちの相手をしてやったり。

全ての稽古が終わってから、俺達の出番。

高瀬さんは、ヘッドギアを着けている。

「伶士の上段回し蹴り、危ないからな。リーチあるし」

「す、すみませんいつも…」



グローブはめて、高瀬さんと向かい合って。



「押忍!」



組手開始。



様子を伺うかのように、中段の正拳突き。

しかしそれとなく前腕ではね除けられてしまい、中段蹴りを膝で入れる形となったが、方向を変えられ何となく防御されてしまった。

ちっ…さすが高瀬さん、隙無し。

瞬く間にカウンターをくらい、タイミングが合わずに防御が遅れる。

しかし、リズムに乗れずに次の攻撃もイマイチ決まらない。


「伶士、一歩踏み込み足りねえぞ」

「…はい!」



集中、集中だ。

覚悟を決めたら、集中せよ。



覚悟がなければ、その上を行くなんてこと、出来ない。



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