俺のボディガードは陰陽師。～第二幕・幸福論～

ヤバいヤバい。美森にバレる。

前方のターゲットを追っていたら、今度は後方から敵が攻めこんでくるとは…！

戦は侮れない。油断も隙もない…！



すると、前方のターゲットたちが移動を始めた。

エスカレーターに乗る…！

見失う！



「…じ、じゃあな！」

「え？ち、ちょっとー！」



美森をその場に置いて、追跡を再開する。

さっきのおばちゃんも同じ方向に歩いてエスカレーターに乗っていたため、またそのおばちゃんの後ろに隠れて、俺もエスカレーターに乗った。

さて、奴らはどこへ向かっている。



「…何で隠れてんの？」



(………)



後ろを振り返る。



「っていうか、何でなずぽよの後を追ってんの？」



美森…！

なぜ、着いてきてる！



「しっ！…お、おまえ何で！」

「だから。何でそのおばちゃんの後ろに隠れてなずぽよ追ってんの。っつーか、伶士デカいんだから、隠れきれてないし。頭も尻も出てる」

「う、うるせえ！おまえに関係あるか！」

「へぇー？」



美森にじっと見つめられる。

その視線は、疑惑たっぷりだ。