俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「…ひょっとしてさぁー?」



ギクッとさせられ、一瞬で全身から汗が吹き出るような感覚がした。

まさか、核心突かれ…!



…いやいや待てよ。



この能天気娘のことだ。

『探偵ごっこでもしてたんだろー?』とか。

『おばちゃん限定かくれんぼ大会?』とか。

面白くボケてくれるのでは…!

だとしたら、誤魔化せ…!




「伶士、ひょっとして!ま、まさかなずぽよのこと好きだとか…!」

「………」

「んでんで、なずぽよが男といるのを目撃して、気になって気になって尾行してるとか?!ねぇ?ねぇ?…きゃー!」



…何で、ボケてくれねえんだ!

しかも、大方当たってる!



こいつ…!



落胆で体の力がどっと抜けた気がした。

おばちゃんの背中に隠れたまま、へなへなとする俺。

へなへなと小さくなった今なら、頭も尻もちゃんとおばちゃんの背中に隠れる。



しかし、そんな俺とは対称的に、美森の声はウキウキとしていた。



「え?そうなの?否定しないってことは!伶士は…きゃー!」


きゃー!…じゃねえ!

あーっ。くそっ。



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