俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
イケイケゴーゴーって…。
美森の理解し難いテンションに、げんなりする。
とんでもないのに捕まってしまった…。
そんなずーんとした気分の中、カップルが仲睦まじい列の中で紛れて待機する。
なずなはどこ…と、前方を確認すると、俺の10人くらい前あたりにいた。
二人の様子は、相変わらず喋っている様子。
ずっと喋ってんじゃねえかってぐらい、喋ってる。会話の内容は、距離があって聞こえないな。
後ろからその様子をじっと見るが…時折、なずなが笑顔を見せている。
いつものドヤ顔や、不敵な笑みではない。
本当に楽しいです!みたいな、女子の笑顔。
ずっと二人の様子を見てるけど…違和感がある。
それは、なずながそのイケボ男に対して、偉そうにしてない、ということだ。
…普段、俺には「あぁ?」と威嚇したり、意地悪そうな顔してイジってきたりすんのに。
そいつの前では、おとなしい。
いつものなずなじゃない。
これは…本当に、好きな感じ…なのか?
(………)
占い番組の歌じゃねえけど…。
…俺、マジでハードピンチか!