俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
するとそこで、列が動き出す。

ふと前を見ると、催事会場直通のエレベーターが開いており、列に並んでいるお客さんが少しずつ乗り込んでいた。

この列、エレベーター待ちの列だったのか。

何も気に留めなかった…。



そのエレベーターは広めなのか、次々とお客さんが乗り込んでいる。

なずなとイケボ男も乗り込んでおり、そこで列は切られた。

先に乗ってしまった…。

でも、同じエレベーターは気まずいからいいか。



しかし、満員のエレベーター。

そこで、俺はとんでもないものを見てしまう。



(…あっ!)



イケボヤローは、なずなの肩に手をまわして自分の胸元に引き寄せている…!

そこで、エレベーターはスッと閉じてしまった。



は…。



何だ?…何だ今のはぁっ!

人の波に巻き込まれないようにと気遣いだったかもしれないが、あたかも自分の女のように肩を抱き寄せて…!



このっ…破廉恥スケベヤロー!



ここで、怒りはピークに達した。

顔はビキビキと引きつり、体のあちこちがわなわなとしている。



美森もそれを見ていたのか「伶士のハートきっとピンチ♪」と口ずさんでいた。

…おまえも敵かあぁぁっ!


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